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少女しょうじょはもう一本いっぽんかべにこすりました。 マッチはあかるくえ、そのかりがかべにあたったところはヴェールのようにけ、部屋へやなかえました。 テーブルのうえにはゆきのようにしろいテーブルクロスがひろげられ、そのうえには豪華ごうか磁器じきそろえてあり、 かれた鵞鳥がちょうはおいしそうな湯気ゆげげ、そのなかにはリンゴとしプラムがめられていました。 さらにおどろいたことには、鵞鳥がちょうさらうえからぴょんとりて、 むねにナイフとフォークをしたままゆかうえをよろよろとあるいて、あわれな少女しょうじょのところまでやってきたのです。 ちょうどそのとき ―― マッチがえ、あつく、つめたく、じめじめしたかべだけがのこりました。 少女しょうじょはもう一本いっぽんマッチをともしました。 すると、少女しょうじょ最高さいこうおおきなクリスマスツリーのしたすわっていました。 そのツリーは、金持かねも商人しょうにんいえのガラスとおしてたことのあるものよりもずっとおおきく、もっとたくさんかざけがしてありました。

何千なんぜんものひかりみどりえだうええ、みせのショーウインドウのなかたことがあるようなたのしい色合いろあいの少女しょうじょおろしています。 少女しょうじょ両手りょうてをそちらへのばして――そのとき、マッチがえました。 クリスマスツリーのひかりたかたかのぼっていき、もう天国てんごく星々ほしぼしのようにえました。 そのうちのひとつがながち、ながほのおとなりました。

「いま、だれかがくなったんだわ!」と少女しょうじょいました。 というのは、おばあさん――少女しょうじょあいしたことのあるたった一人ひとりひと、いまはもうきおばあさん――がこんなことをったからです。 ほしひとつ、ながちるとき、たましいひとつ、かみさまのところへとげられるのよ、と。

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