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少女しょうじょちいさな両手りょうてつめたさのためにもうかじかんでおりました。 ああ! たばのなかからマッチをり出して、かべにこすり()けて、ゆびをあたためれば、 それがたったいっぽんのマッチでも、少女しょうじょは ほっとできるでしょう。 少女しょうじょいっぽんり出しました。 「シュッ!」なんというかがやきでしょう。 なんとよくえることでしょう。 あたたかく、かがやほのおで、うえをかざすとまるで蝋燭ろうそくのようでした。 すばらしいひかりです。 ちいさな少女しょうじょには、まるでおおきなてつのストーブのまえ実際じっさいすわっているようでした。 そのストーブにはぴかぴかした真鍮しんちゅうあしがあり、てっぺんには真鍮しんちゅうかざりがついていました。 そのほのおは、まわりに祝福しゅくふくあたえるようにえました。 いっぱいのよろこびでたすように、ほのおはまわりをあたためます。 少女しょうじょあしものばして、あたたまろうとします。 しかし、――ちいさなほのおえ、ストーブもえうせました。 のこったのは、なか()きたマッチだけでした。

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