盲導犬の健康管理

作: 水越 美奈
ラブラドールレトリバー

盲導犬の健康管理

犬は人間とは違い、 一生自立した生活を送れません。
つまり、犬と共に生活をするということは その犬の世話を全部引き受けることであり、 これは飼育管理者全ての人に求められる責任です。

犬と共に生活を送るために犬に与える必要な事柄とは、 生理学的な最低条件、 すなわち食餌・排泄・休息する場所を与えるだけではなく、 健康、つまり健康管理を行うことや 適切な獣医療を与えること、 そして社会的な生活を保障すること、 これには犬と運動や遊びを共有することが含まれます。
WHO憲章の冒頭に掲げられている 「健康とは、完全な肉体的、精神的及び社会福祉の状態であり、 単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」という宣言は、 犬にもあてはめることができるのです。

また犬の飼い主は、 「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づいた 「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準 (H14.5.28.環境省告示第37号)」 を遵守する義務があります。

スイスの盲導犬 エアデールテリアの盲導犬

犬の健康管理と衛生管理

犬は毛が落ちるから不潔ではないか? 臭くないのか?など 従来からある「動物は不潔」という概念や思い込みからくる疑問は、 多かれ少なかれ多くの人から聞くことができます。
しかし、日常のブラッシングやシャンプー、 耳の中のチェックや歯磨きなどの日常の手入れや、 定期的な健康診断を受けていれば 大量のフケや毛が一度に抜け落ちたり、 不快な悪臭をさせることはありません。
これらの健康チェックやその管理は、 日常、一緒に暮らしている動物に対して行うことは当たり前のことであり、 身体障害者補助犬に限ってのことではありません。

毎日の健康管理

体温のチェック

人間も犬もウイルスや細菌に感染したり、 体のどこかに不調をきたすと体温が変化します。
犬の平熱は37.5度から38.5度。 興奮している犬や子犬、小型犬はやや高めです。
平熱と±1度以上の違いがあったら要注意のサインです。

ラブラドールの子犬2ヶ月齢

体温は犬が落ち着いているときに測ります。 動物病院では 肛門に体温計を差し込んで直腸の温度を測りますが、 家庭ではなかなかおとなしく測らしてはくれません。
毎日落ち着いているときに、 後肢の股の付け根の部分や耳タブを触り、 だいたいの暖かさを覚えておくのもいいでしょう。
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発熱がある場合

感染や炎症の可能性があります。 たとえば、熱射病や日射病、腎臓病や中毒など。
呼吸が荒かったり、 食欲や元気がないなどの症状がある場合は、 すぐ動物病院へ連れていきましょう。

低体温の場合

怪我や出血、 感電などによるショック症状のひとつとして低体温があります。
毛布に包み、 できれば湯たんぽなどであたためながら すぐに動物病院へ行きましょう。

被毛の手入れ(ブラッシング)

犬に対する被毛の手入れ、 血行の促進、 皮膚病の予防の他、 臭いやアレルギーの原因になりやすい死毛や フケなどを落とす毎日のブラッシングと定期的なシャンプーは、 社会的な配慮のためにも必要です。
特に種類によって若干の差はありますが、 春から夏にかけては換毛期のため、よく毛が抜けます。
抜け毛対策としては こまめなブラッシングと掃除、これしかありません。

ラブラドールなどの短毛種では 豚毛ブラシかラバーブラシ、 ゴールデンなどではピンブラシと櫛を用いると良いでしょう。
下毛が豊富な犬で、抜け毛が多い場合は、 アンダーコートのみを掻き取るタイプの櫛を利用するとよいでしょう。

ラバーブラシ、豚毛ブラシ、ピンブラシ、櫛

外部寄生虫(ノミやダニ・マダニなど)や皮膚疾患によっても 毛が抜ける場合があります。
この場合はフケが大量に出る、 皮膚が赤い、ただれる、 毛変わりが全体的ではなく部分的であったり、 一度に抜けてしまうことがあります。
ブラッシング時には皮膚の様子もしっかり見るようにしましょう。

ブラッシングの様子

月に1,2度のシャンプーも重要です。
次にシャンプーのしかたを述べていきます。

被毛の手入れ(シャンプー)

1.シャンプー前のブラッシング

シャンプー前には必ず 全身をブラッシングして抜け毛を除去します。
これをしておかないと根元まで洗えないばかりか、 毛玉やもつれが固まり、後でとれなくなります。
耳の後ろや内股、首輪があたる部分など もつれが多い場所は特に念入りに行います。
同時に肌の状態や耳の中もチェックします。

ラブラドールなどの短毛の犬では、全身をラバーブラシで、 毛が多いタイプの犬ではピンブラシや櫛でとかすとよいでしょう。

2.湯洗い

シャワーヘッドを身体に押し付けながらお湯をかけ、 根元や地肌まで濡らします。
こうすると「ジャーッ」という大きな音がしないので、 犬が安心します。

またシャワーは後ろ足やお尻から頭に向かってかけていきます。 いきなり頭や顔からかけるのは怖がる場合があるので避けましょう。
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お湯が顔にかかることを嫌がる場合、 スポンジにお湯を含ませて拭き洗いをします。

お湯の適温は37〜38度。 犬の体温よりやや低めに設定します。
この温度ですとシャンプーも溶けやすく、 犬の体温とほぼ同じ温度のために犬にも違和感がありません。
夏場は少しぬるめでもOKです。

あらかじめ身体を濡らさずにシャンプーをすると、 皮膚炎の原因にもなることがあるので、 まずはしっかりと全身を濡らしましょう。

3.シャンプー剤で洗う

犬専用のシャンプーを3から5倍に薄めて使います。
あらかじめ別の容器に用意しておくと便利です。

シャンプーをつけたらこすり過ぎないようにゆっくり洗います。 ラバーブラシを使っても良いでしょう。

指の間や爪の際も洗います。
難関の顔は鼻から遠い部分から ゆっくりとシャンプーを含ませたスポンジを用いて優しく洗います。

4.すすぎ

シャンプー剤が残らないよう、十分にすすぎます。
シャワーの温度は同様に38度から39度。
指の腹をつかいながら、 シャワーを頭部からかけはじめて下に降りていき、 最後に足の裏を流します。

せっかくすすいだ部分にシャンプーが落ちてこないように 必ず上から下へ順にすすぎます。
犬は目や耳に少々水が入っても けっこう平気な顔をしているものですが、 鼻に入ることは極端に嫌がります。
シャワーをかけるときには、常に鼻を上に向け、 鼻に水が入らないように気をつけましょう。
耳に入った水は、犬にブルブルをさせた後、 脱脂綿でやさしくふき取ります。

すすぎにくい内股、脇、 お腹、足先は特に念入りに。
ぬめりが残っていないか、 指で確認しながらすすぎます。

特に足裏にシャンプーが残ってしまいがちです。
洗い場の下にすのこを敷いておくと便利です。

シンクにすのこを敷く

5.リンスとすすぎ

あらかじめ薄めておいたリンス液を 手のひらでなじませるようにつけていきます。
頭や背中から足に向かって上から下へ。 お腹の内側も忘れずになじませます。

全体にリンスがいきとどいたら、 シャンプー後のすすぎと同様、しっかりとシャワーですすぎます。
肌を指の腹でチェックして ぬめり感が完全に取れていることを確認しましょう。

6.乾かす

手で撫でたり、 被毛を軽く絞って水気を切ります。
お風呂場なら、 犬自身にブルブルと何度かしてもらうのもいいでしょう。

まずは吸水性の高いタオルで十分にタオルドライをします。
普通のタオルの場合は数枚用意しておきましょう。
タオルは体の上部から足下の順に拭いていきます。
毛の上でなく、根元と地肌をしっかり拭くことが肝心です。

犬が身体を振るってもしぶきが飛ばないくらいになったら、 ドライヤーをかけます。
温風を使いますが、 熱くなり過ぎないように注意しましょう。
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ドライヤーを毛の根元にあてながら、 毛の流れに逆らって櫛や手ぐしでとかします。
なるべく風量の大きいドライヤーを使うほうが早く乾きます。

冷風を当てて冷たい箇所はまだ乾いていないので、 チェックしながら完全に乾かします。
根元まで完全に乾かすことがポイントです。

完全に乾いていないと、 フケや皮膚炎の原因にもなるので注意しましょう。

体の部分チェック

表情のチェック

犬ははつらつとした顔をしていますか?

おやつを手にして犬の名前を呼んでみてください。
元気な犬なら期待にわくわくして あなたの顔を見つめているはずです。

ラブラドールレトリバーの表情

眼のチェックポイント

眼はどうでしょう。

眼のアップ

目の下に筋になるくらい涙が流れていたり、 どろりとした目やにはでていませんか?
眼はぱっちりと開いていますか?

鼻のチェックポイント

健康な犬の鼻は 寝ているとき以外はしっとりと濡れています。

鼻のアップ

寝起きでもないのに乾いている場合は 熱があるかもしれません。
濡れすぎや鼻汁の量が多い場合は 鼻や気管の病気かもしれません。

耳のチェックポイント

まずはにおい。
汚れていないのに悪臭がする場合は 内耳などの奥のほうに病気があるかもしれません。

汚れている場合は外耳炎。
外耳炎は痒みや痛みを伴うこともあり、 痒みや痛みは作業に大きな影響を及ぼしかねません。
また臭いが強く現れることもあり、 日頃からの耳チェックは大切です。

犬では耳垢はほとんどない状態が正常です。
うす茶〜赤黒い耳垢が見られたら、病院で治療を行うこと。

耳の裏側

普段の手入れの方法としては、 週に2〜3回、 犬用の耳洗浄液を含ませた脱脂綿を指に巻き、 耳の穴に挿入して軽く拭くようにするとよいでしょう。
けしてゴシゴシとこすってはいけません。
指であれば 鼓膜まで届いて鼓膜を傷つけることはありません。
綿棒は犬があばれたときに鼓膜を傷つける恐れがあるので 使用しないようにします。

耳の洗浄液いろいろ 耳の手入れ

口の中

こちらもまずは臭い。 歯石がつくと匂います。
汚れがないのに悪臭がする場合は 内臓の病気かもしません。

次に目に付く汚れ。
歯石や歯垢はついていませんか?
歯茎の色は明るいピンク色をしていますか?

健康な犬の歯と歯茎の様子

足の裏

外出後など、 室内に入る際に 犬の足を洗うことがあるかもしれませんが、 洗浄後はよく水気をふき取ることが大切です。
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パッドや指の間は スタフィロコッカスなどの細菌や マラセチアなどの酵母の感染が起こりやすく、 炎症がおこると その痒みや痛みで作業に集中できなくなることがあります。
また、草の実や小石がパッドの間に挟まると、 歩行を嫌がり、足を引きずることもあります。

犬の足の裏(パッド)

歯磨きの方法

歯磨きは、歯石や歯肉炎の予防、 そして口臭予防のために行います。
5歳以上の犬は 程度の差こそあれ、ほとんどの犬が歯周炎を持つ、 という報告もあるほどです。
歯垢や歯石は細菌の固まりであり、 この細菌は歯周炎、歯槽膿漏の原因になり、 全身に回って細菌性の心内膜炎や腎盂炎を引き起こすことさえあります。

歯石がついた歯

市販の犬用の歯磨きを用いるか、 単に水を含ませたものでも十分です。
市販の犬用のはみがきには液状のもの、 ジェル状のもの、 ペースト状のものがあります。

犬用歯磨き

人用のものは発泡剤や研磨剤が入っているので 使用してはいけません。

指にガーゼを巻いたり、 バスの運転手さんなどがしている ガーゼでできた白い手袋をはめて 歯を優しく拭くようにしてもよいし、 硬めのゴム製のおもちゃなどに歯磨きをつけ、 それを噛ませてもよいでしょう。

指サックタイプ、歯ブラシ、白手袋 歯磨き用かじるおもちゃ

歯磨き成分が塗布されたローハイド(牛皮)や グリニーズなどの歯磨き用のおやつも利用できます。

グリニーズ 歯磨き成分が入ったガム

犬の歯のエナメル質は人に比べかなり薄いため、 硬い歯ブラシでこすったり、 硬い骨を齧らせたり、 家庭でのスケーリングは、エナメル質を傷つけ、 逆に歯石をつきやすくすることがあるのでお奨めできません。

体重管理

肥満が健康の大敵であることは、人間も犬も同じです。
また肥満は徐々に進むので気がつきにくいこともあり、 普段からのチェックやコントロールが重要になります。
同じ犬種であっても個体差が大きく、 標準体重はあくまでも目安としかならないため、 1歳時の体重をその個体の理想体重とするとよいでしょう。
実際には骨格と脂肪のつき具合のバランスで判断するようにします。

骨格と脂肪のつき具合のバランスの見方

やせすぎ

・ 肋骨が見えて脂肪層がない
・ 腹部のへこみ具合が著しい
・ 尾の基部の骨がはっきり見えている
・ 腹部の脂肪が触知できない
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やせている

・ 肋骨をたやすく触れることができ、 脂肪層は極めて少ない
・ 肋骨の後ろのくびれがきわめて明瞭に見える
・ 腹部には最小限の脂肪しかない

理想的

・ 肋骨をたやすく触れることができ、 脂肪層は極めて少ない
・ 肋骨の後ろにくびれがみられる
・ 尾の基部の骨は薄い脂肪層により覆われている
・ 腹部には最小限の脂肪がある

ラブラドールの理想体型
体重過多

・ 肋骨は中程度の脂肪層で たやすく見つからない
・ 腰のくびれはほとんど認識できない
・ 尾の基部の骨が 中程度の脂肪により覆われている

肥満

・ 肋骨は厚い脂肪層で見えない
・ 腰のくびれはなく 腹部は膨大
・ 尾の基部の骨は脂肪に覆われていて 触知することは難しい
・ 腹部には大量の脂肪がある

体重の計り方

定期的に動物病院に行って 体重を計るようにするとよいのですが、 家庭で測る場合には、 次の二つの方法があります。

1:犬を抱いて重さを測り、 人間の体重をマイナスする。
2:体重計が2台あれば それぞれに前足と後ろ足を乗せ、 それぞれを合計する。

肥満によって起こりやすい病気

皮膚病

脂肪がつくことでムレやすくなったり、 皮膚の抵抗力が弱くなるため

関節炎

股関節や椎間板(背骨)、 膝などへの負担がかかるため

肝機能障害

脂肪の分解をつかさどる 肝臓の働きが追いつかなくなるため

心臓病

心臓の仕事量が増加することで 出力不足になり、 心肥大の原因になる

呼吸困難

脂肪による気管圧迫で 呼吸がスムーズでなくなるため

手術時の危険性の増加

脂肪により手術の時間がかかったり、 手術自体が大変になり、 麻酔の効きや覚めも悪くなるため

熱射病

脂肪のコートを着ているようなもので、 体内の熱の放散ができにくくなり、 熱射病にかかりやすくなる
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糖尿病

6,7才以上に多い病気で、 犬の場合は非インスリン依存性である 肥満が原因でなるものよりも インスリン依存性の免疫システムの異常によるものが多いのだが、 非インスリン依存性の糖尿病から インスリン依存性の糖尿病に進行することも多いので 注意が必要である。
インスリン依存性の場合は、 一生インスリン注射が必要となる。

その他

糖尿病以外の内分泌の病気、 病気に対する抵抗力が低下、など

ほとんどの腹部のふくらみは 肥満を原因としますが、 お腹の中の腫瘍や 肝臓や心臓疾患による腹水の貯留、 脾臓や肝臓の肥大、 不妊手術を受けていないメス犬では 妊娠や想像妊娠、 子宮の感染症(子宮蓄膿症)でもお腹が大きくなります。
腹部がふくらんでいるのに その原因がよくわからないときには、 動物病院で診察を受けてください。

定期的な管理

狂犬病予防注射

狂犬病予防注射

生後3ヶ月(91日)以上の犬は、 狂犬病予防法第2章第5条により 1年に1回の狂犬病予防注射が 義務付けられています。

1. 狂犬病ってどんな病気?

狂犬病と言う名前からは 犬だけの病気と思われがちですが、 犬や猫、スカンクやこうもり、 アライグマをはじめとするすべての哺乳類に感染します。
人間も狂犬病ウイルスを保有する動物に噛まれたり、 引っかかれたりすると感染してしまう 人と動物の共通感染症のひとつです。

この病気のおそろしいのは、 一旦発病してしまうと、 現代の医学では治療方法はなく、 致死率が100%であることです。
犬の場合、 狂犬病のウイルスに感染してから 発病するまでの潜伏期間は個体差もありますが、 一般的に20日から60日程度で、 平均30日前後です。

犬の狂犬病は 狂騒時と麻痺時とに分けられ、 狂騒時には神経過敏、 凶暴性を示して みさかいなく噛み付くようになります。
麻痺時は 狂騒時ほど激しい症状が見られず、 診断がつきにくいことがありますが、 頭や頚の筋肉が麻痺します。
この両方の症状が経過の中であらわれます。

人間が感染すると、 2〜10日間の前駆期には 風邪に似た症状の他、 噛まれた場所に掻痒感、 熱感などの異常感覚が見られ、 次の急性期には 不安感、 狂水症状、 興奮性、 麻痺、 精神錯乱などの神経症状が見られ、 2〜7日後に昏睡期に至り、 呼吸障害で死亡します。

1957年以降、 日本国内では狂犬病の発生はありませんが、 世界で狂犬病が根絶されているのは オーストラリア、 台湾、 ハワイなど一部の国や地域に限られており、 逆にアジア(中国や韓国も含む)、 アメリカ、ヨーロッパ、アフリカなど多くの地域や国では 現在も狂犬病が発生しています。
これらの地域では犬や家畜だけでなく、 多くの野生動物にも狂犬病の感染が見られ、 WHO(世界保健機構)によると 感染動物に噛まれた人のうち、 およそ年間3万〜5万人もの人が 命を落としていると報告されています。
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2. 狂犬病を防ぐために

万一、日本国内に狂犬病が再上陸した場合、 犬は人に狂犬病をうつす感染源となる可能性が 一番高くなると考えられます。
そのためできるだけ多くの犬が 狂犬病の予防接種を受けておくことが、 人間への影響を未然防ぐ手立てとなり、 犬だけでなく私たちの暮らしや社会を守ることになります。

混合ワクチン

7種混合ワクチン

混合ワクチンは 狂犬病予防注射の様に法律上の義務はなく 任意のものですが、 羅患したら重篤な症状を示す疾患も多いので 接種することが勧められます。

現在、 種類は5種から9種までがあり、 5種では、パルボ、 ジステンパー、 伝染性肝炎、 伝染性喉頭気管炎(アデノウィルスII型)、 パラインフルエンザのウイルスを含み、 7種ではこれらにレプトスピラが2種類、 8種では7種にコロナウイルス あるいはレプトスピラをもう1種を加えたもの、 9種はその全部を指します。
この中でレプトスピラは人獣共通感染症であり、 届出伝染病に指定されています。

予防できるものは予防するという観点から、 社会参加を行う補助犬では レプトスピラの入った混合ワクチンを接種することが薦められます。
(「身体障害者補助犬の 衛生確保の為の健康管理ガイドライン」では、 狂犬病および パルボウイルスとレプトスピラの予防注射が 義務付けられています。)

ワクチン接種の注意点

非常に稀ですが、 ワクチン接種後にアレルギーを起こす犬がいます。
症状としては、 顔が膨れたり、 体中を痒がるような様子をみせたり、 元気がなくなることがあります。
重篤な場合はショック症状を起こす場合もあります。

一度でも過去にワクチンでアレルギーを起こしたことがある場合は、 必ずワクチン接種前に獣医師に申告してください。
また、ストレスがかかっている時や 具合が悪い時、 興奮した後 (思いっきり走った後)や、 暑かったり蒸していたりして 体調がすぐれないときには、 ワクチン接種を避けてください。

さらに接種後にストレスを与えることも 避けなければいけません。
具体的にはその当日と翌日は、 興奮するようなことはできるだけ避けること、 またシャンプーも避けるようにしましょう。
ワクチンによるアレルギーは 接種後すぐから20分くらいで現れることが多いので、 接種後はすぐに帰宅せず、 20分ほど待合室で様子を見てあげると良いでしょう。

ワクチンで予防できる伝染病

犬ジステンパー

特徴: 致死率が高い。 神経系が冒される。 治癒しても麻痺やチックなどの後遺症が残ることが多い。
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病原体: 犬ジステンパーウイルス
感染経路: ウイルス保有犬の排泄物に汚染されたものによる 経鼻・経口感染
主な症状: 発熱、 目やに、 鼻水、 咳、 下痢、 嘔吐、 チック、 痙攣
ワクチンの種類: 生ワクチン

犬パルボウイルス感染症

特徴: <腸炎型> 致死率が高い。 <心筋炎型> 生後3週間くらいで感染し、 瞬く間に死亡する。
病原体: 犬パルボウイルス
感染経路: ウイルス保有犬の排泄物に汚染されたものによる 経鼻・経口感染
主な症状: 発熱、 激しい嘔吐、 出血性下痢、 脱水症状、 白血球の減少
ワクチンの種類: 生および不活化ワクチン

犬伝染性肝炎(犬アデノウイルスI型感染症)

特徴: 子犬の場合は突然死することもある
病原体: 犬アデノウイルスI型
感染経路: ウイルス保有犬の排泄物に汚染されたものによる 経鼻・経口感染
主な症状: 肝炎、 発熱、 嘔吐、 下痢、 角膜の白濁
ワクチンの種類: 生ワクチン

犬アデノウイルスII型感染症(犬伝染性咽頭気管炎)

特徴: 肺炎をおこすこともある
病原体: 犬アデノウイルスII型
感染経路: ウイルス保有犬の排泄物に汚染されたものによる 経鼻・経口感染
主な症状: 発熱、 乾いた咳、 鼻水、 肺炎、 扁桃炎
ワクチンの種類: 生ワクチン

犬パラインフルエンザ

特徴: アデノウイルスや細菌との混合感染により 「ケネルコフ」と呼ばれる風邪様症候群を引き起こす。 伝染性が高い。
病原体: 犬パラインフルエンザウイルス
感染経路: ウイルス保有犬の呼吸器飛沫(咳など)による 経鼻・経口感染
主な症状: 発熱、 咳、 鼻汁、 扁桃炎
ワクチンの種類: 生ワクチン
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犬コロナウイルス

特徴: 腸炎を引き起こす。 犬パルボウイルスや細菌との混合感染により症状が悪化する。 パルボウイルスと一緒に予防することが重要。
病原体: 犬コロナウイルス
感染経路: ウイルス保有犬の排泄物に汚染されたものによる 経鼻・経口感染
主な症状: 発熱、 嘔吐、 下痢、 脱水症状
ワクチンの種類: 不活化ワクチン

犬レプトスピラ病 黄疸出血型(コペンハーゲニー型)

特徴: 人獣共通感染症。 人の「ワイル氏病」
病原体: レプトスピラ菌 (L.イクテロヘモラジー)
感染経路: ネズミなどの保菌動物の尿に汚染されたものによる 経鼻・経口感染
主な症状: 黄疸、 元気減退、 発熱、 嘔吐、 下痢、 歯茎からの出血、 口内炎
ワクチンの種類: 不活化ワクチン

犬レプトスピラ病 カニコーラ型(犬型レプトスピラ症)

特徴: 人獣共通感染症。 アウトドアで活動する犬ほど感染しやすい。 数日で死亡することもある。
病原体: レプトスピラ菌 (L.カニコーラ)
感染経路: ネズミなどの保菌動物の尿に汚染されたものによる 経鼻・経口感染
主な症状: 発熱、 元気減退、 尿毒症、 激しい嘔吐、 出血性下痢、 尿量減少、 歯茎からの出血、 口内炎
ワクチンの種類: 不活化ワクチン

犬レプトスピラ病 ヘプドマティス型

特徴: 人獣共通感染症
病原体: レプトスピラ菌 (秋疫Bの原因菌)
感染経路: ネズミなどの保菌動物の尿に汚染されたものによる 経鼻・経口感染
主な症状: 発熱、 元気減退、 尿毒症、 激しい嘔吐、 出血性下痢、 尿量減少、 歯茎からの出血、 口内炎
ワクチンの種類: 不活化ワクチン

フィラリア症の予防

フィラリア症とは フィラリア(犬糸状虫)が心臓に寄生して起こる病気です。

フィラリア症は、 感染した犬から直接他の犬には感染せず、 蚊が感染を媒介します。
蚊が吸血するとき、 同時に蚊の体内にあったフィラリアの子虫を犬に移し、 そのフィラリアの子虫が皮下組織で成長しながら 心臓内や肺動脈に入り込んで成虫となり、 全身にわたって深刻な症状を起こします。

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成虫は15cmから25cmくらいの、 ちょうどそうめんのような虫で、 オスとメスがおり、 心臓の中で子虫を生みます。
このように大きな虫ですから、 多数寄生すると心臓の内腔が狭くなり、 心臓のポンプ機能に障害がでます。

フィラリアが寄生した心臓

また、長い虫は心臓の4つの部屋を分ける弁や それを支える腱索に絡み、 血液の逆流を引き起こすこともあります。

感染すると次第に元気がなくなり、 散歩に行きたがらなくなったり、 運動を嫌がるようになります。
また、食欲がなくなったりする、 などの症状が見られるようになり、 咳をよくする、 腹水がたまる、 貧血するなどの症状を呈します。

犬フィラリア症は蚊を伝染媒体にしているため、 蚊の発生時期にあわせて予防しますが、 予防薬は犬が蚊に刺されないようにする為の薬ではなく、 たとえ犬の体内にフィラリアの子虫が入ってしまっても 成虫になって心臓に寄生してしまう前に駆除し、 フィラリアの子虫の成長を妨げることで フィラリア症を予防するという働きがあります。
そのため、 地域により若干の差はありますが、 蚊が見られなくなってからも1〜2ヶ月の間(12月頃まで)は 継続した予防が必要です。

現在、月1度の飲ませる錠剤タイプの予防薬が主流ですが、 滴下タイプや注射など 様々なタイプのフィラリア予防薬が発売されており、 同時に外部寄生虫の予防ができるもの、 外部寄生虫の駆虫ができるもの、 線虫(内部寄生虫)の駆虫ができるもの などがあります。
予防する期間や方法については 獣医師とよく相談し、 予防を始める前には必ず血液検査をしてもらいます。
これは、もし既にフィラリアに感染している犬に予防薬を与えると、 この薬は心臓の中にいる虫にも影響するので、 重篤な副作用を起こす可能性があるからです。

フィラリア予防薬

蚊取り線香や蚊取りマットだけではフィラリア予防は完全ではありません。
必ず予防薬を与えるようにしましょう。

外部寄生虫予防および駆虫

蚤 吸血してだんだん大きくなるダニ

ノミ・ダニの寄生は 犬に痒みなどの不快感を与えるだけでなく、 犬に対する病気の媒介(条虫症やバベシア症)や 人に対するノミ刺症 (ノミに刺されることで蕁麻疹のような症状を引き起こす) の原因にもなります。
ノミ・ダニの予防/駆虫は 首輪タイプあるいは皮膚に滴下しておくタイプがあります。
山間部にハイキングに行く人や、 バベシア感染の予防の観点から関西以西に居住している人、 特に関西方面の山間部に旅行に行く人は ノミだけでなくダニも駆逐できるタイプのものを選ぶべきでしょう。

滴下タイプのノミ・ダニ駆除剤(フロントライン)

市販されているもののほとんどはあまり効き目がよくありません。 動物病院で相談するようにしましょう。

内部寄生虫予防および駆虫

回虫や鉤虫、鞭虫などの内部寄生虫は 犬では下痢の原因になり、 これは公共の場所での排泄の失敗にも繋がります。

犬回虫や鉤虫は人にも寄生することが知られています。

犬回虫卵 犬回虫 犬鉤虫卵 犬鞭虫卵
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フィラリアの予防薬の中には これらの線虫類の駆虫薬が含まれているものがあり、 それを投薬している場合は フィラリア予防期間(本州の多くでは5月から12月) は線虫も同時に予防できている、 と考えても良いでしょう。

エキノコッカスも人に感染する人獣共通感染症ですが、 犬では感染したネズミを捕食しなければ感染が成立しないため、 感染したネズミが多くいると考えられる北海道の草原で 犬を放すなどをしない限り、 犬への感染は起こらないと考えてよいでしょう。
また、エキノコッカスは犬から犬、 人から人への感染は引き起こしません。

エキノコッカスやノミが媒介する瓜実条虫、 カエルやヘビが媒介するマンソン裂頭条虫などの条虫類は フィラリア予防薬に含まれる駆虫成分では駆虫されないため、 定期的な検便を行うことが重要です。

マンソン裂頭条虫 瓜実条虫

瓜実条虫は名前のとおり、 瓜の実の形をした米粒大のものが長く連なっている形状をしていて、 その瓜の実の形をしたものそれぞれを体節と呼びます。 肛門の周囲にまるで小さな米粒のようなひからびた体節がついていることで 発見することもあります。

瓜実条虫の体節がひからびたもの 肛門から出てきた瓜実条虫

また瓜実条虫が寄生した犬は 肛門付近をむずむずさせたり、 排便後にお尻を地面にこすりつける場合もあります。 また瓜実条虫はノミが媒介する為、 ノミがいる場合には同時に瓜実条虫もいると考えてよいでしょう。

定期健康診断

上記に挙げたような日常的な健康管理のほか、 血液検査などの定期検診を年1〜2回、 7才以上になった場合は年2回以上受け、 病気の早期発見を心がけるようにすることは大切です。

身体障害者補助犬の衛生確保の為の健康管理ガイドラインでは 獣医師による健康診断の実施頻度は年2回以上で、 問診・ 視診・ 触診・ 打診・ 聴診・ 体温・ 脈拍数・ 呼吸数を、 そして年1回以上の血液学的検査 (赤血球数、 総白血球数、 ミクロフィラリア検査 (フィラリア予防薬を飲ませる前の検査)) と糞便検査を行うよう求めています。

年齢別のケア

犬の年齢が人の何歳かにあたるかを比べると、 ラブラドールなどの中あるいは大型犬では 2歳で24歳、 3歳で28歳、 5歳で36歳、 7歳で44歳、 10歳で56歳、 12歳で64歳、 15歳では76歳くらいと言われます。
7〜8歳頃から少しずつ老化の兆しが現れますが、 一般的に小型犬より大型犬のほうが老化は早く訪れます。
この頃から食餌を老犬用に切り替えたり、 運動を減らしていく配慮が必要です。

健康診断も7歳を過ぎたら、 1年に2回は行うようにしましょう。
健康診断では身体検査と空腹時の血液検査を行います。 必要な場合はレントゲン検査なども行われるでしょう。
外見上健康に見える犬でも、初期の心臓疾患や 血液検査からは腎機能の低下、 初期の肝機能の低下などが発見されることがあります。
ヒトでも犬でも病気の予防は重要です。

老齢期の犬の病気

ラブラドールレトリバー13歳

免疫系の機能が落ちてくることにより、 細菌やウイルスへの抵抗力が落ちます。
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また脂肪腫などの良性腫瘍をはじめ、 悪性腫瘍も多くなります。

加齢と共に視力や聴力も衰えます。 高齢になると眼が白く曇っていきます。
白内障の場合もありますが、 多くの場合、レンズが加齢性の変化を起こし、 レンズが硬くなることで眼がにごって見えます。

老齢による白内障

これは9歳以上の殆どの犬に見られ、 犬はもやを通して見るような状態になります。
このような状態になると、 犬は比較的遠くのものは見えますが、 鼻先にあるものが見えにくくなってしまいます。

皮膚も若い頃の弾力を失い、 皮脂腺からの分泌物も多くなり、 フケが多くなったり、「犬くさく」なることがあります。
きちんとグルーミングをして、 若い頃より入浴の回数を増やすようにしましょう。

消化管の運動も低下し、犬の活動量も少なくなるので、 便秘をしやすくなったり、 おならをよくするようになることもあります。
これは老齢犬のフードに変えることで解決することが多いようです。

加齢と共に筋肉はちぢみ、 筋力は低下し、関節は滑らかさを失います。
起き上がりが大変になったり、 歩くことを嫌がったり、痛みが出てくる場合もあります。

老齢による変性性脊椎症

薬による治療のみでは解決しない場合が多く、 まず体重を減らして健康的な体型にすることが大切です。
無理のない運動も筋肉を保つのに重要でしょう。 グルコサミン硫酸塩と コンドロイチンの入ったサプリメントを日常的に与えると 関節の保護に役立ちます。

さらに高齢の雌犬では尿失禁を起こす場合があります。
膀胱の括約筋が弛緩するため、 座ったり横になったり眠ったりするときに無意識に尿が漏れます。
尿失禁は老化現象なのですが、 括約筋の緊張を高める薬によって症状を抑えられる場合もあります。
犬がときどき尿を漏らす場合には、 動物病院の診察を受けましょう。

老化のサイン

老化のサインとしては、以下のようなことが知られています。

老齢犬10歳老齢犬14歳

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季節別のケア

人間が季節に合わせて洋服や食べ物などを変えるように、 犬にも季節ごとのケアが必要です。

1.春

ノミ・ダニの発生

ノミやダニが発生する時期です。
これらの外部寄生虫が多い地域、 山や林、 草むらに近いところに住んでいたり、 そのような場所に行く機会が多い犬は 予防と駆除の対策をおこないましょう。

吸血しているダニ

狂犬病予防注射

毎年4月に市町村からお知らせがきます。
飼い主の義務ですから必ず受けるようにします。

狂犬病予防注射接種済票と鑑札

公園等での集合注射は 興奮した犬が集まるので、 動物病院で接種してもよいでしょう。

換毛期

冬毛が抜ける時期です。
からまったり、毛玉にならないように こまめにブラッシングをしましょう。

フィラリアの予防

蚊が発生する前、 南の地方や川沿いの地方であれば 4月末あるいはゴールデンウィーク頃から予防薬の投与を始めます。
その年の最初の投与前には 必ず獣医師による診察を受け、血液検査を受けるようにします。

2.夏

梅雨の湿気対策

湿気と抜け毛などのゴミは カビやノミなどの寄生虫の温床になります。
ハウスや犬用のクッションは日によく干すようにします。
また湿気が多いこの時期は 皮膚病や外耳炎にかかりやすい時期。 しっかりと乾かし、 ブラッシングをこまめに行います。

暑さ対策

エアコンは28度前後に設定して 換気にも気をつけます。
午前中や夕方は風通しがいい場所に。
水はたっぷり用意します。

散歩

日があたった舗装道路では パッドがやけどすることもあります。
散歩は早朝か日没後に行うようにし、 日中どうしても連れ出すときには日陰を選んで歩く工夫をします。
ペットボトルに水を入れて凍らせたものを持ち歩き、 犬の首に時折あてたり、 溶けた水を与えるなどの工夫もしましょう。
冷却材が布の中に入っていて、 その気化熱を利用したクールバンダナを使用するのも便利です。

クールバンダナをつけている犬

日射病・熱射病対策

締め切った車内や室内に置きっぱなしにしたり、 日当たりに置きっぱなしにしないこと。
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熱射病は命取りになりかねません。

食中毒

食餌を残していたらすぐに片付けましょう。 腐って細菌やカビが発生します。

3.秋

体重管理

気候がよくなり食欲が増し、 食べ過ぎてはいませんか?
太り過ぎないように体重をチェックしてください。

換毛期

冬毛に変わる時期です。
ブラッシングはこまめにしましょう。

4.冬

運動不足に注意

寒い日は飼い主が外に出ることがおっくうになりがちです。

暖房器具

暖房器具の暖めすぎに注意しましょう。
ホットカーペットは半面だけオンにしたり、 ヒーターを使っている場合は いつでも隣の部屋に移動できるようにするなど、 犬が暖かい場所と涼しい場所を選べるような工夫をしましょう。
電気暖房器具のコードを噛んで感電したり、 こたつやヒーターでのやけどに注意しましょう。

よく見られる病気とその対処法

怪我による出血

深爪やパッドの損傷は 血管が多い部分ということもあり、 かなりの出血があります。
それ以外の怪我でも 瞬間の痛みのためにキャンキャンと悲痛な叫び声をあげるかもしれません。
このとき大事なのは 飼い主がパニックにならないこと。
落ち着いて出血の場所、深さ、程度などを観察します。

場所がわかったら止血をします。
一般的には吸収性のあるパッド(コットンなど) を傷口に強く押し当てるようにします。
表面に血がにじんできても取り替えません。 これは固まりかけた傷口が開くのを防ぐ為です。
血が止まってきたら、幅広の伸縮包帯か タオルなどをゆるくまいて固定し、 病院へ運びます。

爪がはがれたり、割れたときには、 すぐにパッドで強く押さえ、出血をとめます。
ただし深爪をした場合は痛みがひどいので、 落ち着くまで待ちましょう。
血が止まったら爪の状態を見て、そのまま病院へ。

吸収性のパッドがなかったら ティッシュペーパーを数枚重ねて傷口の大きさに合わせて使うとよいでしょう。
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トイレットペーパーは傷口についてしまうのでよくありません。

実際に血が止まったかどうかは病院で確認してもらいましょう。
消毒や傷口をふさぐなどの治療もかならず病院で行います。
出血が多量な場合は、歯茎や舌が白くなってしまい、 ショック状態を引き起こすこともあります。

火傷/感電

火傷は程度によって手当ての仕方が異なります。
被毛が焦げていたり、皮膚が赤い場合は重傷です。 患部にはできるだけ触れないようにして病院へ行きましょう。

1.軽度の火傷

患部を冷やします。
冷凍食品や保冷パック、氷水につけて絞ったタオルなどが有効です。

2.重度の火傷

清潔なガーゼ、包帯をたたんで患部に当て、 さらに包帯やタオルでくるんですぐに病院へ行きましょう。
タオルやティッシュペーパーは 繊維や紙が患部にくっついてしまうので直接使用しないこと。
清潔なガーゼや包帯がない場合は、 清潔なハンカチを使いましょう。

3.化学薬品での火傷

まずは飼い主がゴム手袋をつけ、 犬の洋服や首輪をはずし、 大量の水で患部を洗い流した後、 重傷の火傷と同様に患部を保護してすぐに動物病院へ。
薬品の名前や成分をメモしたものや、 できればその容器も一緒に持っていくとよいでしょう。

4.感電

あわててすぐに犬に近づかないでください。
感電によって犬がもらしたおしっこにも電気が流れているので注意しましょう。
自分が感電しないようにゴムの靴とゴムの手袋をつけ、 できれば電気を通さない棒などを使ってプラグをはずします。
犬を観察し、 火傷をしていたらその応急手当をして動物病院へ運びます。

熱射病

気温が30度のとき、アスファルトの地面は40度近くになることがあります。
人間より地面に近いところにいる犬にとっては最悪の条件です。
また犬には汗腺がほとんどないので、 汗をかいて体温調節することが苦手です。
高温多湿で換気の悪いところにいると、 ほんの短時間で熱射病になります。

熱射病になった犬は、息が荒くなり、 大量のよだれを流します。
歯茎は赤くなり、心拍数も増えます。
体温は40度を超えます。
応急手当をして、症状が改善しないようなら動物病院へ。
痙攣、嘔吐や下痢、歯茎が白くなるなどの症状は重症です。
応急処置の後、直ちに動物病院へ急いでください。
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熱射病の応急手当て

風通しのいい日陰など涼しい場所に移し、 四肢を伸ばしてゆったりと寝かせ、 ホースなどで冷たすぎない水をかけます。
最初に首筋、次に後頭部、 そして胴体の順番です。
頭部は保冷パックや氷枕、 冷凍食品のパッケージで冷やします。
犬が水を飲みたがる場合は、好きなだけ飲ませます。
可能であれば、500ccの水に塩を親指と人差し指で一つまみいれたものや、 冷やしたスポーツドリンク (人用のスポーツドリンクは糖分が多いので、 半分くらいに薄めると良いでしょう) を与えるようにすると、普通の水よりも身体への水分の吸収がよくなります。
合間に呼吸数や心拍数、体温を測り、 舌や歯茎の色も見ます。
浴槽やプールに入れるのもいいのですが、 この状態ではおぼれる危険性が高いので、 頭が沈まないように支えてあげることが必要です。

虫刺され

国内で毒のある虫に刺されたりするのは、 ハチや毛虫、毒蛇、くらげなどです。
ハチやくらげに刺されても深刻な状態になることは少ないのですが、 犬がアレルギー体質であったり、 小型犬である場合は命に関わることもあります。

軽症の場合

痒み、痛み、腫れ、などがあります。
かまれたり、さされたところを冷やします。 針や触手が刺さっていたら抜いてください。
その後、動物病院へ行きます。

重症の場合

呼吸困難、早い脈拍、大量のよだれ、 痙攣、瞳孔の拡大、嘔吐などが起きたらそれはショック状態です。
応急手当をしたら大至急動物病院へ。
何か原因かわかるなら必ず獣医師へ伝えてください。

嘔吐

嘔吐には3つの段階があります。
最初の段階は吐き気です。
吐き気はしばしば吐き出しそうなしぐさを伴い、 胃を搾り出すようにしますが何も吐き出しません。
次にあくびをしたり、隠れようとしたり、 唾液の流出が増えたり、唾液を飲み込むしぐさが増えます。
最終的に胃の内容物を口から吐き出します。

嘔吐は飼い主にとっても犬にとっても不快なものですが、 嘔吐が1回だけで、 その他の症状を伴わないとき、 すなわち犬は元気で食欲もある場合は、 ほとんどの場合、病的なものではありません。
犬が1回だけ嘔吐する最も一般的な理由は、 本来胃にあるべきでないものを取り除く為と言うことが考えられます。
このとき、可能な限り、吐物の内容を確認します。
たとえば、嘔吐物の中にペットボトルのふたなどがあった場合には、 犬がそれを飲み込んだ証拠になり、 今後、拾い食いをしないように注意するようにしなければいけません。
このような1回だけの嘔吐の場合は、 嘔吐が起こった後の数時間(4時間くらい)は 水や食べ物を与えないようにします。
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犬が間欠的に嘔吐を繰り返している場合は、 少なくとも48時間以内に動物病院に行き、診察を受けてください。
繰り返し続く嘔吐は、 単に胃が刺激されたことによる場合もあれば、 命に関わるような胃腸の閉塞や 比較的重い病気が原因である場合があります。

毎日同じ時間に嘔吐し、それ以外は健康、という場合は、 軽度のアレルギーなどが考えられるので、動物病院に相談をしてみてください。

下痢

下痢は最もよく見られる腸疾患です。
通常は急性ですが、慢性化することもあります。

急性下痢の原因には、腐敗したもののような不適切な食べ物の摂取、 特定の食べ物や 添加物によるアレルギーや過敏症、 食中毒、寄生虫、ウイルスや細菌の感染症などがあります。
これらはまた慢性下痢の原因にもなります。
下痢を起こしている犬に水を与えても問題ありませんが、 下痢をした後、2〜3時間は食べ物を控えてください。
元気がないときや、発熱や下血があるとき、 嘔吐も同時に起こっているときにはすぐに動物病院へ連れて行ってください。

下痢にはさまざまな色や粘液を含んだり、 出血を伴うこともあります。
たとえば、粘膜で被われている場合は、大腸炎が疑われますし、 水様性の場合は急速に腸を通過したことがわかります。
タール状の出血は、食道や胃、小腸などの上部消化管からの出血、 真っ赤な血液の場合は、結腸や直腸、肛門からの出血が疑われます。
少量の下痢を頻繁に排泄している場合は 大腸が原因となっていることが考えられ、 回数は多くないが大量の下痢をしている場合は 小腸の消化不良が考えられます。
動物病院での診察時には、便検査用の便を持っていくと同時に、 いつ、どのような下痢をしているのかがわかると、診断や治療がしやすくなります。

腫瘍

体表または皮下にある腫瘍は 毎日のグルーミングで見つかることができますが、 内臓の腫瘍は見つけにくいことが多く、 定期検診や犬の行動の変化などで見つかることもあります。
特に高齢犬では腫瘍は発生しやすいので、 犬の健康状態の変化を見過ごさないように注意しましょう。

腫瘍の診断では、獣医師は年齢や経過なども考慮に入れて、 レントゲン検査や超音波検査、 CTやMRI検査などの画像診断、 また腫瘤の一部を採取して組織検査を行ったり、 血液検査などを行います。
良性腫瘍であり、かつ症状が認められなければ 治療を行う必要はないかもしれません。
ただし癌化の可能性や大きさの確認を行う為に 定期的な診察は必要になるでしょう。
良性腫瘍でも大きなものでは外科的に切除して、 隣接する臓器の圧迫を減らす必要があるかもしれません。
悪性腫瘍の場合は外科手術や化学療法、 放射線治療などが治療の選択肢として挙げられます。
2種類以上を組み合わせることもあるでしょう。
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状況によっては、医学的な治療よりも 緩和療法によって今の犬のQOLを高めてあげることを選択する場合もあります。
獣医師と十分に話し合い、 犬にとって最も良い方法を選択することが大切です。

薬の飲ませ方

薬を飲ませるときには、やさしく確実に飲ませ、 その直後には必ずごほうびを与えるようにしましょう。
犬の気持ちをやわらげるよう言葉をかけながら、 優しく撫でながら与えるのもよいでしょう。
けして叱ったりしないでください。
薬を飲むときに叱られれば、 ますます犬は薬を飲むことを嫌いになってしまいます。

処方された薬は、必ず全部与えるようにします。
うまく与えられない場合は、動物病院に相談してください。
犬の食事や好物に混ぜてあげるのも一案ですが、 フードと一緒に食器に混ぜてしまうと、 薬をはじいてしまったり、残してしまったりするので、 必ず最初に少量のふやかしたフードを団子にして薬を隠したり、 チーズなどの好物に差し込んで与え、 確実に薬を飲んだら残りのフードを与えるようにします。
しかし、食べ物と一緒に与えてはいけない薬もあるので、 事前に獣医師に確認してください。
つぶしたり、粉にすると吸収性が変わる錠剤もあるので、 そのようにしたいときにも獣医師に事前に相談しましょう。

液体の薬を与えるときには、スプーンなどではなく、 注射器を使うのが一番です。
動物病院に言えば、分けてくれると思います。
薬を与えたらすぐにほめて、ごほうびを与えてください。

旅行と長距離の移動

旅行や長距離の移動には少しの配慮が必要になります。
冒頭で述べたとおり、犬は自立した生活を送ることはできません。
旅行や長距離移動に犬を連れて行くということは、 ある意味、就学前の子供連れでの旅行と同じような気をつかわないといけない、 と言う事もできるでしょう。

1.長距離の移動

長距離の移動で問題になるのは、 乗り物酔いと排泄の機会になります。
長時間乗り物に乗る場合は、 乗る前に排泄の機会を必ず与えるようにしてください。
可能であれば、移動の途中にも排泄のために休憩をいれましょう。

酔い止めの薬は、ぼーっとしたり、眠くなる作用もあるので、 作業能力に影響がでるかもしれません。
できるだけ与えないようにしたいものです。

乗り物酔いを予防し、移動途中で排泄をもよおさないようにするため、 移動当日の朝は食事を抜くか、 食事を抜くと吐いてしまう場合は、フードをほんの少しだけ (軽くひとつかみ、あるいはビスケットを2〜3枚) 与えるようにします。
水もいつもより少なめにしておきます。

そして、目的地に着いたら、まず排泄。
その後、残りの食事と水を与えてあげるようにするとよいでしょう。

2.持っていくと便利なもの

いつも食べているフード

最近はコンビニなどでもドッグフードが売られていますが、 犬は知らない土地に行くことで少なからずストレスを感じ、 お腹を壊しやすくなります。
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いつも食べているものをもっていくようにしましょう。

食器

いつものでも良いですが、 旅行用の折りたたみ食器も売られており携帯に便利です。

携帯用折りたたみ食器

途中で少し水を与えたり、 粗相をしてしまったときにも流すこともでき、便利です。
500mlのペットボトルを利用してもいいですが、 ペットボトルから直接飲むことができるように工夫されたものなども売られています。

携帯用水飲み(閉じたところ) 携帯用水飲み(飲ませるとき)

ペットシーツ

思わず粗相をしてしまったとき、 ペットシーツは吸収力が優れているので 片付けるのに便利です。

ペットシーツ

ジップロックのような密封できるビニール袋

粗相を片付けたものや、 便をとったものをいれて密閉すれば周囲に臭いがもれません。

ジップロック

シーツ

荷物が大きくなってしまうかもしれませんが、 1枚あると部屋に敷いたり、布団の上に敷くことで、 犬の毛が落ちる心配をしなくてすむようになります。

コロコロ

犬の毛を取るため。

コロコロ

かじるおもちゃ

部屋にひとりぼっちにさせることがあるかもしれません。 また待機の時間も多くなるかもしれません。
お気に入りのボーンを1本持っていってあげてください。
これは就学前の子供を旅行に連れて行くときに、 おもちゃや絵本を持っていくのと同じです。

牛皮プレスガムとナイラボーン ナイラボーンをかじっている犬

3.旅行前の準備

長期の場合は、かならず出発前に動物病院で健康チェックを受けましょう。
また、お腹を壊しやすい犬の場合は、 あらかじめ整腸剤などをもらっておくようにするとよいでしょう。

また獣医師はほとんどの場合、全国的なネットワークを持っています。
滞在先の近くの動物病院をあらかじめ紹介してもらえば何かあったときに便利です。

4.海外旅行

国によって入国や検疫の条件が異なります。
あらかじめ、行き先の在日外国公館と 動物検疫所(www.maff-aqs.go.jp)に早めに問い合わせるようにしましょう。
在日外国公館は外務省のホームページにリストがあります(www.mofa.go.jp/mofai/link/emblist/index.html)。
グアムやハワイ、オーストラリア、 ニュージーランド、イギリスなど狂犬病がない国は 非常に検疫が厳しいと有名ですが、 最近では多くの国ではいくつかの書類や証明書をきちんと揃えられれば 長期の検疫なしで入国できるようになりました。
しかし、その手続きには数ヶ月かかることもあるので、早めの対応が必要です。

世界では狂犬病が発生している国も多く、 そのような国に行く場合には、 他の動物との接触を特に気をつけるようにしましょう。
また、まだまだ野犬が多い国も多く 特に東南アジアやアフリカなどでは 飼い主が定まらない多くの犬が路上にたむろしています。

帰国の際にも検疫が必要になります。
帰国時に必要な書類などは行き先によって変わってきます。
必ず行く前に確かめるようにしましょう。

盲導犬がいる国であれば、 国際盲導犬学校連盟を通じて その国における盲導犬のアクセスの問題など、 盲導犬についての情報をある程度得ることができます。
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日本のほとんどの盲導犬協会は 国際盲導犬学校連盟に所属しているので、 出身の協会に問い合わせてみるとよいでしょう。

運動について

日頃の運動不足を解消する為、 また犬の喜ぶ姿を見たいため、 犬を思い切り走らせたい、と思っている方は多いと思います。
最近はドッグランなどの犬専用施設も増えました。
囲いもあるので安心、と思うかもしれませんが、 そこに放す前にちょっと考えてください。

ドッグランは当然、いろいろな犬が集まる場所です。
中にはあまり犬馴れしていない犬もいます。
警戒心の強い、怖がりの犬もいます。
こちらの犬が全く平気でも、相手が平気でない場合もあります。
つまり、小競り合いやけんか、噛まれる、などのトラブルも起こりうるというわけです。
噛んだほうも噛まれたほうも いずれもこのようなトラブルは悪い経験になり、 これらの経験から将来的に犬が嫌いな犬になる可能性もあります。
ドッグランを利用する場合はリスクも考慮に入れ、 1頭だけにする、あるいはお友達犬と一緒に利用して 他の犬が来たらドッグランを離れるなどの配慮を心がけるようにするとよいでしょう。

公園で放している愛犬家も多くいますが、 公園は公共の場所なので、これもあまり良いことだとは言えません。
では、山はどうでしょう。
山にはあまり他の人はいないでしょうし、他の犬もいないかもしれません。
しかし山には他の小動物がいるかもしれません。
獲物を追う本能に火がついて、 リスやウサギを追いかけ、いなくなってしまうことがあるかもしれません。
タヌキから疥癬をもらうこともよくあります。

ダニにも気をつけなければいけません。
特に関西以西の山では、 バベシア症という赤血球に寄生する寄生虫を持ったダニが多く生息します。
バベシア症はかかるとなかなか完治することは難しい怖い病気です。
山で放して走らせる、ということはけしてしないようにしてください。

付録:大学病院リスト

* 大学によってはかかりつけの動物病院の紹介状が必要です。

北海道大学付属動物病院

北海道札幌市北区18条西9
電話011(716)2111
www.hokudai.ac.jp/veteri/VMTH

全て予約制。 初診の予約は動物病院受付 (電話011-706-5239)まで

酪農学園大学付属動物病院

北海道江別市文京台緑町582−1
電話011(386)1213
www.rakuno.ac.jp/shisetsu/hos

診療は全て予約制 外来受付時間は月曜から金曜の午前9時から午前11時半まで。

帯広畜産大学付属家畜病院

北海道帯広市稲田町西3−4
電話0155(49)5683
www.obihiro.ac.jp/~jyui/byoin.html
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北里大学獣医畜産学部付属家畜病院

青森県十和田市東23番町35−1
電話 0176(24)9436
www.vmas.kitasato-u.ac.jp/ZEV/hospital/site2

診療受付時間: 午前9時〜11時半、 午後1時〜3時。
初診の方は午前中受付。 動物病院からの紹介で来られる方は午後の受付。 診療日は月曜から金曜。

岩手大学農学部付属家畜病院

岩手県盛岡市上田3−18−8
電話 019(621)6238
http://news7a1.atm.iwate-u.ac.jp/~hospital/

診療は予約制。 診療は午前9時から11時。 診療日は月曜から金曜。

東京大学動物医療センター

東京都文京区弥生町1−1−1
電話 03(3812)2111
www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/vmc/index.html

かかりつけの動物病院による完全予約制(紹介状が必要)。

東京農工大学付属家畜病院

東京都府中市幸町3−5−8
電話 0423(64)3311
www.tuat.ac.jp/Agri/Fuzoku

日本獣医畜産大学動物医療センター

東京都武蔵野市境南町1−8−1
電話 0422(90)4000
http://www13.ocn.ne.jp/%Envau

予約制。 診療は午前9時〜12時、 午後1時〜4時。
診療日は月曜から土曜。 土曜日は再診のみ。

日本大学生物資源学部アニマルメディカルセンター

神奈川県藤沢市亀井野1866
電話 0466(84)3900
www.brs.nihon-u.ac.jp/~anmec/

原則予約制。 診療申し込みの受付は月曜から金曜日、 午前9時から午後4時まで。
受付電話番号0466-84-3900。 動物病院からの紹介の場合は、紹介状、診療記録をお持ちください。
診療日は月曜から土曜。 土曜日は再診のみ。

麻布大学獣医学部付属家畜病院

神奈川県相模原市淵野辺1−17−7
電話 0427(54)7111
www.azabu-u.ac.jp/guide/hospital/hospital.htm

原則予約制。 診療日は月曜から金曜。

岐阜大学農学部付属家畜病院

岐阜県岐阜市柳戸1−1
電話 058(293)2962
www.gifu-u.ac.jp/~nogakumu/gakubu/katikub.html

大阪府立大学農学部付属家畜病院

大阪府堺市学園町1−1
電話 0722(52)1161
www.vet.osakafu-u.ac.jp/hospital/hospital.html

予約制

鳥取大学農学部付属家畜病院

鳥取県鳥取市湖山町南4−101
電話 0857(31)5441
http://muses.muses.tottori-u.ac.jp/dept/VV/Hos/index.html

外来診療の受付時間は午前9時から11時。 初診の方は電話にて連絡の上来院すること。
電話受付は月曜から金曜の午前9時から午後5時まで。

山口大学農学部付属家畜病院

山口県山口市大字吉田1677−1
電話 0839(33)5931
http://web.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~agr-ad/hosp/

原則として予約。 診療日は月曜から金曜。 受付時間は午前9時から11時。

宮崎大学農学部付属家畜病院

宮崎県宮崎市学園木花台西1−1
電話 0985(58)2811
www.agr.miyazaki-u.ac.jp/~vet/vet_hosp/vet_hospHP.htm

診療日は水曜を除く月曜から金曜。 受付時間は午前8時半から午前11時。
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鹿児島大学農学部付属家畜病院

鹿児島県鹿児島市郡元1−21−24
電話 099(285)8750
www.agri.kagoshima-u.ac.jp/vet/vethospital.hp.html

診療日は月曜から金曜。 受付時間は午前9時から午前11時半。

付録:参考・引用文献

・リハビリテーション従事者向け介助犬マニュアル

日本介助犬アカデミー介助犬マニュアル編集委員会編 2004

・盲導犬訓練士養成テキスト

全国盲導犬施設連合会 2003

・犬の家庭医学大百科

ブルース・フォーグル著
ペットライフ社 2003

・愛犬の病気 防ぐ!みつける!治す!

小暮規夫著
講談社 2003

・身体障害者補助犬の衛生確保のための健康管理ガイドライン

厚生労働省のホームページ内
http://www.forth.go.jp/mhlw/animal/ down/4houki/h04_01yamane.pdf

・ボディコンディションシステム

NPO法人 日本動物遺伝病ネットワークのホームページ内
www.jahd.org/bcsdog_pdf

・動物由来感染症(人獣共通感染症)

厚生労働省のホームページ内
www.forth.go.jp/mhlw/animal/index.html

・動物由来感染症の発生情報

独立行政法人 動物衛生研究所のホームページ内
http://niah.naro.affrc.go.jp/index-j.html

・犬混合ワクチンの種類

社団法人 動物用生物学的製剤協会のホームページ内
http://www9.ocn.ne.jp/~javb/canfelfishvac.pdf

・ワクチンの副作用情報

農林水産省 動物医薬品検査所のホームページ内
www.nval.go.jp/fuku/fuku/index_seibutu.htm